適正な樋の見付け方


『雨とい』の仕組み  屋根の形  樋用金具の種類  樋勾配と流速  屋根投影面積  適正な樋の見付け方  褪色について


樋というものは、一歩間違うとオーバーフローや雨漏り・雨だれの原因となりうるもので、
適正な樋を取り付ける事が重要となってきます。

また、見栄えも大変重要で、色や形により様々な軒先が演出できます。


ここでは、下の順序に従い選定してみたいと思います。
@雨樋の大きさ
A軒先の演出
B色の選定


@雨樋の大きさ

まず、軒樋の大きさを選ばねばなりません。
この軒樋は屋根の流れの大きさ、傾き、落し口の数等により変化致します。
T:流れの長さ・傾きにより屋根の上での流速が速過ぎると、前高タイプの軒樋が
必要になります。(住宅用の場合、しぶき板を取り付ける場合もあります)
U:落し口1つ当たりの屋根の大きさを算出します(投影面積)
V:Uで算出した投影面積よりも大きい屋根投影面積を持つ軒樋・竪樋の組合せを
ピックアップしていきます。

A軒先の演出

次に、軒先の形を決めます。
特に住宅用の場合、機能よりも形の方が優先されることが多々あります。
屋根が日本瓦の場合、和風の樋がいいでしょうし、反対に洋風な樋が合う屋根も
あります。
つまり、軒先を目立たなくするには、前高になっている方が屋根側に曲がっていると
屋根勾配に似る形になりますので、屋根の色と同じ色に軒樋をした時に一番軒樋が
目立たなくなります。
また、反対に軒先を目立たせることで、屋根を大きく魅せることもできます。

これが非住宅になりますと、樋の見栄えはそんなに重要視されなくなり、替わって
排水量や施工性が重要視されます。

B色の選定

色の決め方には下記の方法があります。
T:屋根の色に合わせる
U:壁の色に合わせる
V:サッシの色に合わせる

住宅ですと、屋根とサッシの色が同じ事がよくありますので、軒樋・竪樋が両方とも
屋根・サッシ色と同じ色になることが多くなります。

非住宅ですと、グレー色が基本になり、壁が角波等で薄い色になるとシルバーや
ホワイトといったような薄い色がよく使われます。

他には集合住宅でよくあるのが、壁が茶色系の濃い色の場合にココア色といった
濃い色が使用されます。

これらの他にも、既製品でないような色を使う場合もあります。
その時はグレー色で施工してから、色を付けることになります。




簡単ではありましたが、このような形で雨樋を選定すると、
スムーズに選んでいくことができます。